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in ・家族改造計画

家族改造計画 2章-6

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家元夫人が着付けを教えてくれることになった。

月曜日に資料館に顔を出して、家元夫人のお稽古を受ける。
金曜日はお友達からのお誘いもあるだろうという事で、月曜日に着付けを教えてくれることになった。

私は何を用意したらいいのかが分からない。
家元夫人は何も持たなくてもいいとおっしゃっていたけれど・・・。


そう思いながら資料館に顔を出すと、職員の人がほとんど利用しない和室に向かう。
私が到着した時にはもう家元夫人は用意を済ませていた。


「失礼します。お待たせしてしまって申しわけありません。」
「あら?いいのよ。私が早く来たくて来てるんだから気になさらないで」
そういって笑顔をみせる。

ほんと優しそうなかた・・・。

初めは何をしていいかわからないので家元夫人が話しかけてくださることに答えるだけという状態だったけれど・・・
と言っても私が話している間は、家元夫人は私の話を黙って聞いてくださるだけでご自分の事は全く話されないかただった。

「まぁ、じゃあ牧野さんのおうちでは、お母さまと牧野さんが家計を支えていらっしゃるの?
それは凄い事ね。なかなかできることではないわ。

牧野さんくらいの年の方は、総二郎さんもですけれど、おこづかいを稼ぐという形の働き方は知っていても、しっかり家計を支えるという感覚は薄い方が多いですから、素晴らしい事だと思いますわ。」
そういって笑顔をみせる。

西門さんから家元夫人の話をまったく聞いたことがなかったのでどんな人なのだろう?と思っていた。

たまにお邸で見かけても、忙しくされてる時が多いので、お邸の人に色々と指示している姿しか見たことがない。

こんなに優しい笑顔のかわいらしい方だったなんて・・・
そんな事を思っていると、
「総二郎さんはいいんですよ。大学を出てだいぶマシになりましたけどね
私が今一番困っているのは一番下の航三郎の事です。
あの子は女の子はだらしないわ、ウチの仕事を言いつけても平気でお友達との約束を入れてしまうわ
手を焼いてるんですよ」
そんな事を言っている家元夫人に思わず笑いがこぼれる

不思議そうな顔をして私を見る家元夫人に
「・・・ご、ごめんなさい。西門さんの事を思いだしちゃって・・・」
それだけしか言えずに笑ってしまった。


西門さんの弟さん
西門さんにそっくり・・・
そんな事を思ったら、思わず吹き出していた。

「高校生の頃ですけど、西門さんが良く言ってたんです。
俺達は親に決められた人生を歩かなきゃいけないだって・・・だから今のうちにたくさん遊んでおくんだって
そんな事ないのに、そう言って毎日違う女の子連れてたのを思いだしちゃって・・・。
ってこんなコト言っちゃって後で西門さんに怒られちゃうわ」
そういって朗らかに楽しそうに笑っているつくしを見てつられて笑顔になる家元夫人。

「総二郎さんは牧野さんには自分の事を良く話されるようね」
そういって私に笑顔をみせてくれる。

そんな風に初めは着付けを教えてくれてるというより
お互いを良く知るために話をしてる方に多くの時間を取っていた。


和服を着つけることについて初めての私が、難しくなり過ぎないように、気持ちをほぐしてくださっている。
そんな風に感じた私は家元夫人の事が大好きになった。

「家元夫人がこんなに楽しい方だなんて思いませんでした。
西門さんは全然お家の話をしてくれないんですよ。
私が今日会った家元夫人の様子を話したらきっとビックリするんだろうなぁ」
思わずそんな言葉が出てしまっていた。

家元夫人はそんな私の様子を笑いながら見ているけれど
「牧野さん。総二郎さんには私が着付けを教えているのは、しばらく内緒にしていてくださいね。

ご存じだとは思いますけれど、私達は家族とは名ばかりの存在になってしまっています。
総二郎さんは私の事なんて視界に入れないようにしておりますわ

きっと総二郎さんにとっては家族ではないんでしょうね。
同じ仕事をする先輩・・・そんな感じなんでしょう
必要以上のことは全く話してきませんもの。」


家元夫人のその話を聞きながら、私は西門さんの家族が変われば家元夫人のこんな寂しそうな、
悲しそうな顔をみなくてすむのだと思ったのだった。
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