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in ・家族改造計画

家族改造計画 2章-2

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邸で稽古をつける総二郎さんを見かけなくなった。
楓さんが邸に来てから、総二郎さんと牧野さんが稽古をしている様子を見かけることはなくなった。
総二郎さんは、あのお嬢さんに稽古をつけるのはやめてしまったのかしら?
そんな事を思っていたが、再びそのお嬢さんの名前を聞いたのは意外なところからだった。


昨年親の介護のため実家の愛知に戻ると言って辞めた資料館のスタッフ
そのあとに人材を補給してほしいと資料館の人事部からは再三言われていた。

しばらく少ない人数で頑張ってもらっていたけれど、今もまだ人材を必要をしているかを確認してみないとと思い館長に色々と話を聞くために、邸に呼びだす。
「知り合いのお嬢さんで働いてくれる人がいればいいんですけど・・・」
そしてもしそうゆう人がいなかった時にはしかるべき場所に求人を出すために館長からどういった人材が欲しいかなど話を聞いていると
「・・・実は、今バイトで働いてくださってるお嬢さんがいらっしゃるのですが、できればそのお嬢さんを
大学卒業後に正式職員として採用していただけないでしょうか?」
館長がここまでハッキリと言うのは珍しい。

館長は仕事に厳しい人なので、男性も女性も関係なく仕事に関しては厳しく接していた。
だから今まで働いてくれていた人が何人もやめていた。
早い人では3日持たない人もいる。

そう言ったすぐにやめてしまう人が出るたびに館長からは
「もっと自分から動いてくれる人が欲しいのです。」
といっていたものだった。


その館長が、大学卒業後に正式職員として採用してほしいと言うバイトさんがいるなんて・・・
館長のお眼鏡にかなう人というのはかなり珍しいわ。
「館長がそこまで働いてくれている人を褒めるなんて珍しいですわね」
私がそう言った言葉に棘はなかったとは思っているのだけれど、
館長は驚いた表情をした後
「そうですか?、牧野さんは、よく気が利くお嬢さんですし仕事も丁寧です。
そして何といっても、お作法もまだ覚えてる途中ですがとてもきれいな所作ですしね。
働いてくださっているスタッフのみなさんともすぐに仲良くなられております」

私は久しぶりにその名前を聞いて驚いたのだった。
・・・牧野さん・牧野さんと言ったの?
その時私は久しぶりにその名前を聞いたのだった。

私は館長からつくしの働きぶりや働くに至った理由などを聞いた。
「総二郎さんからご紹介を受けたんです。
バイトの子なら西門流人事部の承認を取らなくていいと思いまして、
どんな子か使ってみることにしたんです。

そしたらすっごくよく動いてくださるし、
誰とでも積極的に交流してくださいますし、
どんなことでもいやな顔せずに対応してくれるんですよ。

語学の方も、英語のほかにフランス語ができるんで、
海外のお客様からの問い合わせや、パンフレット作製の際に色々と助けていただいています。

ホントに彼女は優秀な方ですよ。

正直な話、はじめは総二郎さんの紹介された時に、おうちの都合で花嫁修業の一環として、
西門の関係部署で働かせたという実績が欲しいだけのお嬢様を紹介されたらどうしようとか思っていたんです。
ですが、牧野さんは普通の家のお嬢さんで、バイトしながら自分の生活費を自分でやりくりしている勤勉学生さんと伺いました。」

総二郎さんがお茶を教えると挨拶に来てくれた時は、牧野さんの事を詳しく聞いていなかったことを思いだしていた。
勤労学生さんだったんだと・・・そんな大変な環境で頑張っている子だったんだと、館長から知らされる。

今までさんざんいろいろな女性と浮名を流してきた総二郎さんが、今までと全く違うタイプの違う牧野さんのような女性と接することでどんな風に総二郎さん自身もこれから変化していくのか?それを私自身も知りたいと思っていた。

「館長。牧野さんは毎日バイトが入ってますの?」
「土日が一番人が来るので土日と火曜日と木曜日の夜6時から9時までバイトに来ていただいています。
平日は資料館の片付けや、来てくださった方への資料作りのサポートや問い合わせの対応をしてもらっていますよ。水曜日は総二郎さんがお稽古をつけてくださっているようです」

総二郎さんは邸では教えてないけれど、どこかで牧野さんに茶道の稽古をつけているのだと思ったら
すこしだけ嬉しくなった


いつも邸で会う総二郎さんは、私を見る目が非常に冷たいことを私も感じとることができる。
そして総二郎さんは何があっても表情に出さず、私と顔を合わせても会話をすることもなく
ただ私の横をすれ違うだけ・・・。

古くから西門を支えてくれている重鎮の皆様方のご意見を無駄にすることもできず、
金銭的に西門を支えてくれる後援会の方達のご意見も無駄にできずに
毎日一人で、時には家元と一緒に各支部や、後援会のつながりで色々な所に出掛けなければならない私に
総二郎さんの母親としての時間をとることができなくなっていたのはいつのころからだったのか・・・
そんな事を思いだすことも出来なくなっていた。


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