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in ・家族改造計画

家族改造計画 2章-3

-2 COMMENT
3ヶ月もたつとつくしはバイトにも慣れてきて、いろいろなことを任されるようになっていた。
就職活動をしなければならなかったつくしだったが、館長からのお誘いもあり、春から資料館の正規採用になることになっていた。

おそらくこれが、西門総二郎からの申し出ならつくしは断っただろう。
だが、きちんと面接も行い、普通の希望者と同じように試験を受けて早々に内定をもらっていた。

資料館は西門の関係ではあるが、総二郎などはほとんど顔を出すことがないのを3ヶ月のバイトでつくしは分かっていたのだ。
そのため一般的にはギリギリまで就職活動をしてるものが多い中、つくしは早々とバイトに専念することができていた。

総二郎の稽古にも定期的に行っていた、ある日、総二郎から
「今度大きな茶会がある。家元夫人がメインだが、かなり大きな規模なのと、家元の方の手伝いに呼ばれてるものが多く人手が足りないので悪いが牧野もその日は手伝ってくれないか」
そう言われ、つくしは総二郎の弟子のひとりとして手伝いに大きな茶会の手伝いに行くことになった。


家元夫人が主とは言っても、この茶会に西門総二郎が参加するとあっては、後援会や重鎮のコネを頼りに、
総二郎に見初められたいと思っている女性たちがたくさん参加していた。

つくしは総二郎のサポートと、外国の来客の案内を頼まれていた。
そこに総二郎に見初められたいと思い上等の着物に身を包んで、総二郎の周りをウロウロする女性。
その女性に負けないようにと、肉食獣さながらの目をした女たちが、総二郎の周りをすり寄っている。
「総二郎様。本日の茶会にふさわしい色にしましたのよ」
「総二郎様。茶会が終わりましたら、ゆっくりお話を追うかがしたいのですが・・・」
「ずるいわ。私もそのために総二郎様のお邪魔にならないようにしているのに」
などと女たちが総二郎の周りで騒ぎ立てる。

総二郎は一応笑顔を絶やさずにいるが、心のなかでは茶会の事に集中したいのに、女たちが周りでギャーギャーと騒ぐ様子に辟易していた。

そんな様子を見かねて家元夫人が、後援会の主婦の方達と話しているのをやめてやんわりと
本日参加しているお嬢様たちを注意しようとしていると
「若宗匠はこれから大事な茶会を控えております。あなた方、この茶会のために来たのであれば、主賓の方々にご迷惑をおかけする行動はなさらないほうがよろしいのではありませんか?こうゆう席ではお静かに迎えるべきではありませんか?」
凛とした声が響く。

少し離れたところから、お嬢様たちをやんわりとなだめようと思っていた家元夫人も思わず足を止める。
一番驚いたのは総二郎だった。

この場はとりあえず何事も無くやり過ごそうと、笑顔を貼り付けて、その場さえ通り過ぎればと思っていた総二郎の耳に、凛とした声と、ハッキリとした注意が聞こえた。

この注意を牧野がしたことで、家元夫人や総二郎ではなく牧野に、女たちの攻撃の矛先が行くだろうことは総二郎に想像がついていた。

牧野はそれを自覚していないようだが・・・?

俺が牧野にそれとなく女どもを注意したことについて聞いてみると
「お茶って繊細なものでしょう?
だから、あまり周りで騒がない方がいいと思って・・・」
そう言っていたのだ。


********************

今日の俺のお茶を飲んだ重鎮の一人が
「総二郎君。今日のお茶はとっても優しくてまろやかだったよ」
そう声をかけてくれた。

いつも厳しい事しか言わない人の明らかな褒め言葉に俺が驚いていると、
「いや、今日の総二郎君のお茶を見ていれば私も厳しいことは何も言えないよ
来てくださった方達が皆さま笑顔でおかえりになられましたからね。

わたしたちは世間的に総二郎君がいくらいい男だと言われているから、こういった茶会に家元や家元夫人も読んでるわけではありません。
家元の後を継ぐものとして家元の様に来てくださる方を楽しませることができると思うからこそ、
総二郎君を後継者として育てているわけですしね。

気がついたら笑顔が出ているようなそんなお茶を出せるのが一番ですからな。」
それだけ言うと、笑顔で俺を見送ってくれる。


俺が重鎮を見送っていると牧野がやって来た
「西門さん。お疲れ様」
「・・・あぁ、お前も今日は疲れたろう?」
牧野と向き合ってそう言うと、牧野は目をキラキラさせながら
「ううん。今日は裏のお手伝いをさせてもらってすっごく勉強になったよ。ホントありがとうね」
そう言ってくれる。

なんでこいつはこう俺の予想の上をいくような答えをしてくれるんだろう。
そんな事を思っていると
「なんかね。今のバイトをしてるとね。ホントに奥が深いなあって思うんだ。
だから今回お手伝いが出来てホントよかったと思ってるんだよ。」
そういって笑顔になる。


牧野がいつも見せる笑顔と同じはずなのに、仲間うちで俺しか知らないこの空間に見せる牧野の笑顔が特別な笑顔に見えて、心が揺らいだのだった。


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- 2 Comments

miumiu:『姫』  

花サマ

そうなんですよ。

少しずつ惹かれつつあります(笑)

このままどんどんはまってほしいですね~

2016/09/06 (Tue) 22:07 | EDIT | REPLY |   

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2016/09/05 (Mon) 15:57 | EDIT | REPLY |   

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