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in ・家族改造計画

家族改造計画 1章-2

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家元夫人の書斎の前にきた俺は、家元夫人に声をかける
「お忙しい所申し訳ありません。総二郎です。少しお時間よろしいでしょうか?」
中にいるだろう人にそう声をかけると、
中にいた家元夫人が
「あら、総二郎さん。お入りになって」

俺は牧野と共に家元夫人に挨拶するべく部屋に入ったのだった。
「本日は新しく教えることになりました者を連れてまいりました。」
そう言って頭を下げる俺に家元夫人は書類に目を落としながら
「総二郎さんが教えるのかしら?」
とだけ聞いてくる。

「えぇ。その予定でいます。」
「教える者をイチイチ連れて来ても私は全員と会っている時間はありませんから、
邸で教える者だけこちらに紹介してくれればかまいませんわ」
「えぇ。そうおっしゃってましたので連れてまいりました。」

俺がそういうと、やっと顔を上げた家元夫人は俺の隣にいる牧野をじっと見つめて
「・・・総二郎さん。まさかこちらの方に総二郎さんがお稽古をつけるのかしら?」
それだけ言うと黙ってしまった家元夫人だった。

ばあさんの命令で稽古以外で邸に家族と内弟子と使用人以外の女性が
邸に入るのは禁じられていたから
家元夫人も俺が女性に稽古をつけるといって邸に連れてきたので、
驚いて言葉をなくしているのだろう。


家元夫人の書斎に入るとカチカチに緊張していた牧野は、
俺と家元夫人の会話の冷たさを身近で聞いて、黙ったまま頭を下げている。

俺は家元夫人があまり見せることのない驚いた表情を見て笑いがこぼれそうになってしまっていた。

この人は俺の事になんていつも興味がなさそうだったのに・・・。
俺がどんなに夜遊びをしていても、咎めることも何もしない。
たまに顔を合わせれば、茶会の話や、邸にくるお客様の話しかしないような、
西門流に関係する話は俺とは全くしない人だった。


だから俺がどんな相手に稽古をつけていようが、外で何をしてようが興味がないハズのこの人が稽古をつけるためとはいえ、自分とそう年の変わらない女性を邸に連れてきたことに言葉をなくしていた。

さすがにこの人も俺が若い女性を邸に連れ込んでいるなどと周りから言われないだろうかといった外聞を気にしたんだろう。

俺は牧野をどうゆうつもりで稽古をつけるかを家元夫人に伝えることにした。
「牧野は将来、道明寺に嫁ぐ予定でいますので、私の方で友人の道明寺と彼女のために行儀見習いと、茶の稽古をつけることにいたしました。」
俺がそう家元夫人に伝えると、明らかにホッとした表情を浮かべている。

俺が予想した通り、女性を邸に連れて帰って来たのでばあさんの命令を守らずに、
付き合ってる女性を連れ込んだとでも思われていたようだった。
自分たちが、西門流を発展させていくために、西門流次期家元につり合いのとれる女性をあてがう、その予定が崩れたかと思ったのだろう。

そんな事は心配しなくても、俺は家の決めた女性と結婚しなければならない運命なんだ。

道明寺の付き合ってる女性といったとたん明らかにホッとしたこの人を見て、
おそらく俺が今お付き合いしている女性として牧野を邸に連れてきたとしたら、
きっと牧野の家のことなどを調べあげるだろう。ことは安易に想像がつく。

そして、調べあげた結果、自分たちの眼鏡にかなわなければ、この人たちは
俺には何も言わずに牧野のところに直接乗り込んで西門の名前を盾に息子と別れるよう説得するのだろう。

そう、おそらくは司のお袋さんがしてる事と同じことをするのだろう。

俺はこの家を出て行った兄貴の代わりに跡を取ることを決めた時から、
自分が好きになった女性とは結婚できないだろう。
家柄がつり合い財力のある女性を、西門が吟味してあてがうだろうことは覚悟していたはずだった。

それなのに、司と牧野が思いあう姿を見ていたら、俺は二人を子供っぽい恋愛してるなとからかいながらもすべてのしがらみを取り払って、ただお互いだけを思っている。
それがどんなにすごい事かを二人を見ていて思い知らされることがある。

・・・と二人の思いに思いを巡らせていると、家元夫人が口を開く。
「そうですの。道明寺さんの・・・?
総二郎さんが女性を邸にお連れになるなんて初めてですから、
一体どういう事なのかしら?と思いましたのよ。

まぁ、そうゆう事ならよろしいですわよ。邸で稽古なさるとよろしいわ。
・・・牧野さんでしたよね?
・・・いろいろと大変だとは思いますが頑張ってくださいね。」
こうして牧野は西門の邸で茶の稽古をつけることになったのだった。


牧野は決して覚えが早い方ではないのだが、一度教えた事はきちんと家で復習してくるらしく、次の稽古の時には、前回ダメだったところはきちんと直してくるのだ。


コイツのこういった真面目で素直に稽古をしている姿に俺は一目おいていたのだった



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