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in ・家族改造計画

家族改造計画 1章-3

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家元夫人にも挨拶を済ませたので、邸で牧野に茶を教えることになった。

はじめこそ、女性を邸に連れ込んだと気にしていた家元夫人だが、道明寺と付き合っている女性だとわかると
いつもの様に、俺がどこで何をしてるかなんて気にしてないようだった。

邸で会えば挨拶を交わすが、後は今度の茶会がどうのとか、今度の後援会の会合がどうのといった
茶道の関係の話しかしない。



思い返してみると・・・
兄貴が跡取りとして厳しく指導されていたころから、両親は忙しい人ではあったけれど
俺が母親に会いたいというとすぐは無理でも、翌日に時間を作ってくれたりしたものだった。
その時は、学校であったことなどを色々聞いてもらったりしていた。

だが、兄が家を出て俺が後継者として家元や重鎮と呼ばれる人たちからいろいろなことを学ぶ立場になると、
家族としての話をする時間が減り、俺の学校生活や私生活のことなどは聞かれなくなっていた。
俺も兄貴が教え込まれていたことを覚えるのが精一杯だったし、家業として、家にいても仕事をしてる感覚になるような仕事だからなのだろう。


邸にいると、重鎮の誰かがいれば、両親がいないときは俺が対応しなければならない。
そのうえ邸には住み込みの内弟子や、使用人たちがいる。

自分の家のはずなのに、他人が邸にいる事が多いという環境が
邸にいてもリラックスができる状態ではない事を感じさせられる。


だから俺は、極力家にいる時間を持たないようにしていた。
まだ学生だったのもあるが、寝るためだけに邸に帰る状態にしなければ、いつもいつも気が張ってしまう。

それが引き金になったのかもしれないが、俺は夜は司と類とあきらとともにクラブに繰り出すことがおおかった。

邸の者は、重鎮も、内弟子も、使用人も、家が窮屈で夜な夜な遊び歩いてる放蕩息子と思っているだろう。
だが、俺としてはその方がありがたかった。

あの家元の息子だから…優秀な兄が家を出てしまったからその下を後継者にするしかなくなかった。
そんな噂をする者も兄貴が家を出てすぐの頃はいた。

その噂が俺の耳にも入ってくるという事は両親の耳にも入っているのだろう。
両親に守ってもらいたかったわけではない。
だが、まだ子供だった俺は理想の家族像があった。
両親だけはそんな噂を跳ね返して否定してくれる。
そんな淡い期待を子供心にしていたのを今でも覚えている。

だが両親からは、何の言葉もきけなかった。
いつも家にいる時間が短い、俺が学校に行っている間に帰ってきてすぐに出かけてしまったり
俺が学校から邸に帰って来た時には決まって両親のところに誰か客が来ていたり、西門流の関係者といる時間が多かった。

たまに西門の関係者が来ているときに聞こえてくるのは、
「祥一郎君にはこういったところがありましたな?」
「ええ。そうですわね」
そんな風に何年も前に家を出た兄貴を懐かしむ言葉だった

俺は邸にいる内弟子たちに、自分の表情を読まれたくなくて、ポーカーフェイスを作る。
部屋に戻りながら俺は、

俺が後継者としてふさわしくないなら兄貴を呼び戻すか、他の力のあるものを後継者とすればいい
そんな事を思っていた。

自分の部屋にいても色々なことの考えなんてまとまるわけもなく、
司やあきらを誘ってクラブに繰り出すことにした。


出かけようとすると、家元夫人が通りかかる
「あら、総二郎さんお出かけかしら?」
「えぇ。」
「まぁ、今しかないのは分かりますけれど、夜な夜な遊び歩いてらっしゃるのは・・・ねぇ
色々と口さがなく言うものもいますので、少しは控えていただかないと・・・
総二郎さんの行動が西門流にどれだけ影響があるかお分かりですよね?」
通りかかりにそう声をかけられる。


こんな時でも、西門流に影響があるからなどと、西門流としての事しか考えてないんだなと冷めた目で見てしまう。

「ご心配には及びません。仕事に穴をあけることは致しませんから・・・
家元夫人にご心配していただいて心苦しいですが、皆様にはご迷惑をおかけいたしませんよ。」


おそらくこの頃からだったと思う。
親父、お袋とは呼ばなくなり、邸のなかでも、プライベートの時間を過ごしている時でも
親父の事を家元、お袋の事を家元夫人と呼び始めたのは・・・。

自分がプライベートの時間を過ごす部屋の中と幼馴染のアイツらといるとき以外では、
外用の仮面をつけて話したり行動するようにしたりしていた。

そんな俺の姿しか見てないのに好きだと言ってすり寄ってくる女ども。
その目はギラギラして、獲物を捕まえようとする肉食獣さながらだ。

そんななか牧野だけは初めから親友の好きになった女というスタンスで接していたのもあったからなのか、他の女達みたいにギラギラしたところがない。

そのままの俺を受け入れてくれていた牧野だから、
俺はアイツらといるときのように牧野に対してはほとんど外用の仮面をつけることはなかった。
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