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in ・家族改造計画

家族改造計画 4章-4

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つくしが忘れ物を取りに茶室に入っていきなかなか帰ってこないのを心配し、
中の様子を見に行くと
声も立てずに涙を流している牧野さんが座り込んでいた。

「牧野さん?」
牧野さんの目の前にしゃがみこんで声をかける。


牧野さんは顔をあげて僕を見る。
だけどすぐに俯いて声を立てずに肩をふるわせて泣いていた。

そんな牧野さんを見るのが辛くて、そっと抱き寄せる。
そのまま背中をただ撫でて落ち着かせるだけのつもりだった。

だけど、牧野さんはビクッと身を固くすると、僕の胸を押し返して
「ごめんなさい。ごめんなさい」
そういうだけで、静かに泣いていた。


佐絵子さんに何か言われたのか?
佐絵子さんは俺より年上で、父の親友の娘さんだったから、小さなころから付き合いがあった。

学生時代はお互いの付き合ってる人の存在を知っていたり、
特にお互いに恋愛感情があったわけではなかった。

僕が牧野さんを好きなったのが気に入らないのか?

とりあえず忘れものもあったことだし、車まで送り届けなければと
牧野さんを迎えの車まで送る。




西門の家の車に戻ってもつくしは一人で考えこんでいた。

総二郎は勘がいいので、忘れ物を取りに戻ってきてから
つくしの様子がおかしいことに気がついていた。

なにがあったのだろう。
お前はいつも俺達に相談せずに一人で抱えるから、一人で抱えるなよ。
そうは思うのだがコイツは頑固なので、普通に聞いても絶対に口を割らない。


そんな状態のまま、二人の間に会話がないままつくしのアパートにつく。


つくしは、車を出ると、総二郎の方に回って精一杯の笑顔をみせる。
「いつも本当にありがとう。
・・・次回のお稽古の時は、私用事があるんだ。
だから行けそうにないの。
ごめんね。すっかり忘れてて・・・

園田さんにもその件は話しておくね」

そういうと総二郎の言葉を待たずにつくしはアパートの部屋に入っていく。



つくしの言葉を黙って聞いてた、総二郎はつくしがアパートの部屋に入ったのを見届けてから、
つくしが申し訳なさそうに総二郎に告げた言葉を思い返していた。

次回はのお稽古の時は用事があるって・・・?
そんなとってつけたような理由って・・・


牧野が今働いているところでのスケジュールは、西門の本宅にも届いていた。
大学を卒業後正式に職員になってからは、月のシフトなどは必ず上の俺達の所にも届く。

本当のところは俺がしょっちゅう顔を出したいところだが、しょっちゅう顔を出されるのを
牧野は嫌がるから俺は、極力顔を出さないようにしていた。

俺が資料館をすすめたが、館長を含め事情を知ってる人間に極力、俺の事と牧野の事を
リンクさせないようにしていた。

俺が牧野と高等部からの知り合いだとわかれば色眼鏡で見る人間はいる。
牧野はそれを一番嫌っていたから・・・。

牧野の同僚にさり気なく枚のの仕事ぶりを聞いてみた。

館長は牧野は仕事丁寧だと絶賛していたし、他の職員のみんなが言うのは
「牧野さんですか?とってもよく働いてくださる方ですよ。
あまり自分の事を自分から話す人ではないんですけどね。」
そんな事をいっていた。


そんな風に俺のところに筒抜けになっているなんて牧野は知らないだろう。
次回の稽古の時も牧野予定は入ってなんていないはずだ。

なのにどうして・・・
急に友人と食事などになっても、牧野の性格上稽古の日に入れないだろう。


部屋に入る前に俺と話した時の、笑顔が気になった。
あの笑顔は・・・いつもの自然に出る笑顔ではなかった。

無理して笑ってるような・・・
何かに耐えているような・・・
そんな笑顔だった。

その牧野の笑顔を思い出すたびに、忘れ物を取りに行くと戻った時に
牧野の身に何かあったのだと確信したのだった。




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