in スポンサー広告

スポンサーサイト

-- COMMENT
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  • Share
in ・家族改造計画

家族改造計画 5章-1

-0 COMMENT
園田さんの所での稽古の日、雨の音がするので部屋の窓から外を見ると
アパートの前に黒塗りの大きな車が止まっていた。

あ・・・あの車は・・・
そう思っていると、カンカンカンと階段を上ってくる音がしてすぐにノックの音が聞こえる。
「はーい」
返事をしてドアを開けるとそこには超絶にいい男がいた。

「よっ、つくしちゃん。迎えに来たぜ」
そういって部屋に上がり込む。

「ちょっ、西門さん。」
私が玄関のドアを閉める。

「西門さん。今日のお稽古はキチンと行きますって電話入れたでしょ?」
そう言いながら、台所に立ってお茶を入れる用意をする。

「あぁ、それはこの間きいた。だけどよ、行き先が一緒なんだしと思って迎えに来たんだよ」
そういって私が出すお茶を飲んでいる。

私が向かいに座ってお茶を飲んでいると
「ごめんな。牧野。お前に何があったかは聞いた。
俺が一緒に行けばよかったな。」
そういって私に申し訳なさそうに笑顔を向けてくる。

「別に西門さんのせいじゃないよ。実際ホントの事だし・・・
私がみんなの周りをチョロチョロしてたらそりゃ気に入らないよね。」
それだけ言うとお茶を啜る。

こうゆう話をするのは、正直苦手だった。
普段は壁を作らず仲良くしてくれるみんなだけど、
こうゆう話をすると、私とみんなの間の高く大きな壁を感じずにはいられない。

二人でお茶を飲みながら会話のない時間が過ぎる。

少しすると立ち上がった西門さんが
「行くぞ。用意できてんだろ?」
そういって私の手を引く。

こんなに優しくされたら、またあのお嬢様たちに何を言われるかわからないじゃない。
この人の近くにいてはいけないと思うのに、今掴まれてるこの手を離さなければと思うのに・・・
そんな私の気持ちをわかっているのか、西門さんはギュッと私の手を掴んで離さなかった。

外に待たせてる車に乗り込んで私は外を見ていた。
車が静かに走り始めても私と西門さんの間に、普段のような会話はなかった。

あの話を聞いたのなら、私に近づかないほうがいいのに・・・
西門さんもいろいろ言われちゃうよ・・・。


そんな事を思いながら園田さんの会社に到着する。
会社の前では大樹さんが、心配そうに私たちが乗った車が到着するのを待っていた。

「あぁ、よかった。今日来ていただけたんですね」
そういうと私の傍に来て笑顔をみせる。

「ご心配おかけして申し訳ございませんでした。」
そういって私が園田さんに頭を下げると
園田さんは私の手を握って、
「すいません。僕がキチンと気をつけていれば、牧野さんに悲し思いをさせなくて済んだんですよね
ホント申し訳ありませんでした」
そういって頭を下げる。

私はいたたまれなくなって、
「そんな、顔をあげてください。園田さんは何も悪くないんですから・・・」
それだけしか言えない。


西門さんも
「園田さんが悪いわけではありませんよ。」
そういって私たちは和室に向かう。


いつもと同じように稽古がはじまった。
私は普段西門さんのサポートをするくらいしかできてないから、居ても居なくても同じなのかもしれない
そう思いながら今日ここに来た私は
お稽古を受けに来てる人に
「牧野さん。具合もう大丈夫?」
「風邪だったんだって?無理しちゃダメだよ。」
「前回は牧野さんがいなくて寂しかったんだからね」
「牧野さんの笑顔を見てると元気になれるんだよ」
そんな風に言ってくれる部員の皆さんの、温かい言葉に
私は涙があふれてきた。

「村瀬さんがいた時はさぁ、睨まれてたから声かけにくかったのよね」
そんなことを言いながら私を囲んで話かけてくる。


ここにもこんなに優しい人たちがいるんだ。
そう思ったら、ここの人たちのやさしさが心にしみた。

スポンサーサイト
  • Share

- 0 Comments

Leave a comment

家族改造計画 5章-2
PREV
NEXT
家族改造計画 4章-11