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in ・家族改造計画

家族改造計画 5章-9

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立花さんから指定されたのはメープルホテルだった。
そのメープルホテルに向かうまでの間に、試写会が行われたホテルの出口で
メディアの取材が総二郎と映見に声をかけてくる。

「西門さん。彼女を連れでこの試写会にお見えになるという事は、お披露目の日が近いのでしょうか?」
「西門流から正式にコメントが出ておりませんが、今回ここに一緒にお見えになったという事で・・・」
「お相手の方はどちらのご令嬢でしょうか?」

そう言った言葉が総二郎と映見にかかる。

映見は何も言わず俯いて総二郎に寄り添っている。
総二郎は、何もコメントをしないが、取材の人間に笑顔を向けることでやり過ごしていた。


総二郎は、取材に来ている人たちを見た視線の先に、園田と牧野が先週オープンしたばかりのレストランから出てくるのを見た。

それはほんの一瞬だったが、牧野は何か言葉を発するとその場に立ち尽くしていた。

直ぐ後から園田さんがつくしの後ろからこちらを見て俺達に気がつく。
牧野が体の向きを変え別の出口へ向かおうとしているのを、園田が抱きよせて止めていた。

思わず俺はその場がどこなのかも忘れまっすぐ前を睨むと近くの壁をドンと叩く。
取材の人は一瞬静かになるが、それは決して総二郎が園田とつくしに焼きもちを焼いたのではなく、
取材で聞きたいことが限度を越しているので壁をドンと叩いたのだと思ったようだった。

「・・・申し訳ありません。西門から正式にコメントが出ておりませんのに・・・」
「やっぱりまだ記事にしないほうがいいよな」
「・・・あぁ、コメントが出る前に書いて西門ににらまれたら・・・」
などと囁く取材の人たちの声が総二郎の耳にも届く。

総二郎は、表情をいつも通りに戻すと
「皆様には申し訳ございません。後で広報の方から正式にコメントが出ると思いますので
よろしくお願いいたします」
そういうと軽く頭を下げ、映見を取材の人たちから守りながらその場を後にしたのだった。


外に待っていた西門の家の車に乗ると、車はスーッと走り出す。
後ろのシートに腰掛けた二人は、小さく息を吐く。

総二郎が窓の外を見て物思いにふけっていると、
映見が声をかけてくる。

「・・・ねぇ。さっきの外にいた子?」
「・・・何が?」
「あの子でしょう?総二郎が今気になってる子」

映見のヤツ、あの場でしっかり俺の状況まで見てたのか。
そんな事を思いながらも
「だったらなんだよ」
とだけ聞いてみた。

だったらなんなんだよ。映見がどうにかしてくれるのか?
そんな事を頭の中で思いながら映見の反応を待つ。

「・・・あの子に誤解させちゃったわね。
でも・・・私が見た限りあの子・・・」
それだけ言って黙り込む映見の方を一瞥すると、再び窓の外に目をやる。

映見はそんな総二郎を見て、飲み込んだ言葉を心の中で発していた。

私が見た限りあの子も総二郎の事が気になってるように見えるんだけど

その言葉を発したところで、総二郎が動かないだろうことは、映見にはわかりきっていた。

だって動こうと思うなら総二郎の事だからもっと早く動いてるわ。
きっと自分の気持ちだけで動いて、彼女を西門の事情に巻き込みたくはないって思っているのでしょうね。

そう思いながら、メープルホテルにつくまで二人の間にかいわはなかった。



メープルホテルにつくと、立花氏が指定した時間まで、後10分だった。
総二郎と映見はホテルのラウンジの奥に座って立花氏を待っている。

総二郎が固く口を結んで、一点を見つめている。
その姿を見て映見が口を開く。

「このまま話が進んだら、私が祥一郎さんと一緒になれないように、
総二郎だってあの子と一緒になれないんだよ。
・・・だから、だからお願い、
あの子だって総二郎のこと気になってるよ。きっと。」

やっとの思いでそれだけを言うと、総二郎は笑顔になって
「・・・ありがとな。映見」
それだけ言うとちょうどラウンジに現れた立花氏に挨拶をして
話を始めたのだった。


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