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in ・家族改造計画

家族改造計画 5章-10

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総二郎が後援会長の立花と会って数日が経過していた。

つくしはいつも通り資料館での仕事をしていた。
今日は、家元夫人が着付けを教えてくれる日だった。

家元夫人がわざわざ足を運んで教えてくれている。
いつものつくしなら、そのことをわかってこの貴重な時間できちんと学ぼうと思うのだが、

今日のつくしは、
園田さんのところで村瀬佐絵子から言われたひとことや、
後援会長の立花から言われたひとことがグルグルと頭から離れずにいた。

家元夫人もつくしの元気のない様子を気にかけてはいるが、何と声をかけていいのかわからない。

「牧野さん?何か・・・」
牧野さん?何かあったのなら、話を聞きますわよ
そんな風に聞こうと思っていた時に


声をかけることもなく和室の襖がガラッと開く
「おばさまがこちらにいると伺ったの」
そう家元夫人に声をかけるのは、数日前に総二郎と一緒に居た立花映見だった。

「・・・映見さん。いつも言っているでしょう?キチンと声をかけてくださらないと、
あけた時に着替えでもされていたらどうなさるのですか?」
そういいながらも苦笑いをして映見を見ている家元夫人。

「固いこと言わないの。昔からの付き合いじゃない」
そんな風に言ってケラケラと明るく笑う映見は、家元夫人から少し離れたところで
驚いたように映見を見ているつくしと目が合う。

映見はつくしに対して屈託のない笑顔を浮かべる手つくしの前まで来たかと思うと、
つくしの向かいに正座をしてきれいな所作で頭を下げる。
そのきれいな振る舞いは、つくしも習っている西門流そのものだった。

普段は作法なんて気に掛けずにいる映見も、きちんと挨拶をしようとすると
とっさにこんな風に出るのだから、小さい頃から西門流で仕込まれているのが体にしみ込んでいるのだ。

正座して頭を下げたあと、体を起こした映見はつくしと向かい合う状態になった。
映見はおもむろに口を開く
「牧野つくしさん。ですよね?」
つくしはこの間、総二郎と一緒に居た女性だということに気付き、将来の家元夫人候補と周りが騒いでいたことを思いだす。

つくしは慌てて映見に頭を下げると
「牧野さんに謝りたくて来たの。」
そう言ってまっすぐにつくしの目を見据える。

「謝りたくて・・・?」
この人は何のことを言っているのだろう?
と思っていると、

「牧野さん。父が失礼なことを言って申しわけありません父は権力欲の塊なんです。
だから自分が西門流で権力を握るために私を次期家元夫人にしたいと思っているの」

そういって映見が話し始めたことを、つくしも家元夫人も黙って聞いていた。
「私と祥一郎さんと、総二郎は幼馴染だったわ。

私は父と一緒によく西門邸に来ていたの。
でも正直子供にとってはあんなバカでかい和風の邸は楽しい所ではなくて、
父が西門の講演会の副部長をしているころに、私は父の目を盗んでよく邸を探検していたわ。

子供心にこれだけ広ければ、探検してもかくれんぼしても簡単に見つけられないんじゃないかと思ったわ。

そしてフラフラと色々な所を探検していると
祥一郎さんと総二郎が一緒に遊んでいる姿を見つけたの。

・・・でも私にとっては父の雇用先の子供だから、簡単に声をかけることなんてできずにいたわ。
そしたら、祥一郎さんから声をかけてきてくれたのよ。
「そこのお嬢さんはお父さんかお母さんを待っているの?
・・・なら僕たちと一緒に遊ぼうよ」

そういって手を差し伸べてくれたわ。
祥一郎さんは子供の頃から、優しくて女性に対してはお姫様扱いしてくれた。
でも総二郎は同じ年なのもあって男の子同士の様にふるまっていたわ。

その様子を家元と父に見られていたなんて思わなかった私たちは
女らしくせずに、外で総二郎たちと走り回る私を見て、
行儀作法を習わせた。

私がその稽古をしたくないと泣いていると、祥一郎さんは
「映見。嫌なことかもしれないけど、その嫌なことが終わったら
僕と総二郎と一緒に遊べるから・・・だから頑張っておいで」
そう言って稽古に送り出してくれた祥一郎さんが大好きだったわ。

祥一郎さんが次期家元として、私達と遊ぶ時間が減ってしまった。
わたしたちと遊んでる時のような楽しそうな表情をしていなかった。
そんな祥一郎さんは、逆に身内じゃないから言えたんでしょうね。
私に自分の心うちなども含めた色々なことを話してくれたわ。

「総二郎は意外と繊細なんだよ。だからこんな話総二郎には話せないよ」
そんな風に言う祥一郎さんを見て私は、子供の頃とは違う意味でこの人に惹かれていたの。

周りはよく一緒に居る私達を見て、将来笑みを西門の家に嫁がせれば万事が上手くいくと言っていたわ
でも、そんな時に祥一郎さんが家を出たわ。

私は祥一郎さんが家を出たなんて、祥一郎さん本人からも何も聞いていなかったから
相当なショックを受けたわ。

そして私たち3人のバランスは崩れたの。


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