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姫が生まれた日(類くん誕生日SS、後日談)

-7 COMMENT
今日は、由梨の満一歳の誕生日だと云うのに、親父の名代で、面倒でしかない会合とやらに出席。
酒宴になだれ込みそうな処を営業スマイルでスマートにかわして、
只今、帰りの車の中。


しかし、何だってギックリ腰なんかになるかね?
謀った様に、ギックリ腰ってか?
そもそも、今日はオフだろっ!
大事な大事な我が家のお姫さまの誕生日だぞ?



……………イヤな予感しかしねぇ……。



まるっと一年前、可愛い可愛い由梨が生まれた日、
思い出すだに口惜しい。


*****


愛しい我が妻 つくしの出産予定日の前日。
何があっても準備万端でつくしに付いててやれる様に、
予定日の前後一週間は遠方の予定を全て親父に振り分けていたのに………。


「総、大変なのっ!お義父様が……」


つくしっ!頼むからデカい腹抱えて走らないでくれっ!!


「どうした?走るんじゃねぇ、落ち着け」


慌ててプライベートリビングのドアを開ければ……、
ソファの上に、微動だにせず踞る西門流家元。


「……………親父?……」

「すまん、総二郎」


予定通り遠方への仕事に出ようとした時、
見送りに出て来たつくしに声を掛けようと振り向いた瞬間、
「あっ!!」と、声を発したキリ動けなくなったらしい。
ギックリ腰だった。

すったもんだの末、二泊三日の予定を一泊二日に組み直して貰い、
家元の名代を務める事になった。
出産予定日当日、「大丈夫だよ、待ってるから」の、
笑顔に見送られ飛んだんだった。

家元の代わりにカツカツのスケジュールをこなして、ホテルに戻ったのは夜九時を過ぎた頃。
つくしに連絡を入れて元気な声を聴いて、
安心と疲れの為、速攻で夢の中。

次の日、空港からの帰るコールに出たのは、
………類……。


『……類……?』

『総二郎っ!今、どこ?』

『おいっ!何でお前がでるんだよっ!』

『そんな事は後回しっ!牧野、産まれる……………………
ブッ……プープープー』

『おいっ!おいっ!るいっ!!』


その後の事は、覚えてない。
病院の自動ドアが開く時間すらもどかしく、分娩室の前に走り込んだのと、分娩中の灯りが消えて赤ん坊の泣き声が聞こえて来たのは同時だった。



「つくしっ!!!」



蹴り入る勢いで開けた扉の先には、
白衣とマスクを身に付け額にはうっすらと汗をかいて、
産まれたばかりの我が子をいとおしそうに抱き上げる親友の姿。


何でお前が、そんなにいとおしそうに俺の子を抱いてんだっ?
しかも、白衣にマスクって……、



!!!!立ち会ったのかっ!!



「あっ!総二郎おかえり、ちょっと間に合わなかったね」

「…………なっ………………」

「牧野、頑張ったんだよ。牧野も子供も元気だから………ね」


満面の笑みで産まれたばかりの赤ん坊を抱いて、スタスタと俺の所まで歩み寄り、


「はい、総二郎。おめでとう女の子だよ」

「……あっ、おう」


慌てて、ちっちぇ我が子を受け取った。

類はつくしの枕元まで戻り、
うんと、頑張ったんだからちゃんと休みなよ。
なんて言ってやがる。

白衣とマスクを看護師に渡しながら、事の経緯を話してくれた。………が、


「総二郎、名前は『ゆり』ね。漢字はまかせるから……」

「はっ?」

「さっき、牧野と考えたんだよ」
「いい名前でしょ?産声を聴いた時さ、泣きそうになっちゃった」


……いや、類よ。
それは、俺が体験するはずだったんだよな?
なにつくしと一緒に清々しい笑顔で頷きあってんだよっ!
俺の子供の名前、勝手に決めんなよ。
看護師が、旦那さまでは無かったのですか?
なんて聴いてるし……。

いつの間にか帰る準備が済んだらしい類が、部屋のドアノブに手を掛けながら、
耳元に呟きやがった。


「大丈夫……見てないよ。ひぃひぃ、ふぅ。って、
大変だったし、残念」

「コノッ!るいっ!」

「それより、………約束、守ってよ?」

「は?なんだよ、それ」

「花沢の姫でもあるんだからね?大事に育ててよ」
「牧野に似て、可愛いよね…。ちょくちょく寄らせてもらうね」



『この野郎っ!』



の、叫びは寸でで呑み込んだ。

パタンと閉まったドアを開け、廊下を覗けば背中でVサイン。



全く全く、全くもって気に入らねえっ!



*****


総二郎様、着きましたよ。
の、声に視線を上げれば、既に我が家の玄関先。
つくしと由梨に、ただいまだ。

玄関には見覚えのありすぎる靴が、ポツンと一つ。



…………やっぱりだ、また、来たのか?……。



プライベートリビングに続く廊下を足早に進み、
扉を開ければ


「総二郎、お帰り。お邪魔してるよ」

「あっ!総、お帰りなさい。ごめんなさい、迎えに出なくて……」

「…ぱっぱ………あっこ……」


つかまり立ちから、ヨタヨタと歩き始めたばかりの由梨が手を伸ばす。

この瞬間が、堪らなく幸せだ。


「由~梨~ただいま。おりこうしてたか?」
「なんだ?類、暇なのか?」

「失礼だな、今日は由梨の誕生日じゃん」

「総、類がね、お祝い持って来てくれたの」

「おぉ、悪いな。……おまえ、仕事は?」


テメエは、ちょくちょく帰って来てフランスに帰るギリギリの時間まで、
他人(ひと)ん家でまったりしてんじゃねぇよ。

さっさとフランスに帰って、仕事しろっ!
シッ!シッ!

そんな気持ちを全身から放出しても、こいつは意に介さない。



「何言ってんのさ、大事なお姫さまの誕生日なんだからね!ねー♪由梨」

「うぅー、あぶあぶぅー」

「あはは、『類、ラブラブー』らしいよ?」

「はっ!なんだそれっ!やんねえからなっ!」

「…もう、総は考え過ぎだよー」

「総二郎は、関係ないもんねー由梨♪」

「あぶあぶぅー」

「こらっ!離れろ類っ!」



類を交えての由梨の誕生日は、ゆっくり楽しく過ぎて行く。
由梨は覚えたての言葉を得意気に披露して、
皆を笑顔に変える。



本当に本当に、由梨が『花沢』になる日が来て、
親父の一番長い日なんてもんを味わう事になるのだろうか?

………いや、ダメだ。阻止だ、阻止っ!!


由梨を膝の上に乗せて、誰にも見せない様な優しい顔をしてる親友と、

まずは、乾杯を。


今日は、我が家の姫が生まれた日。


******************************
類つくを書かれていらっしゃる
空色様より「総つく」のお話を頂きました。

空色様
ありがとうございます。

空色様のかかれた総つくを是非皆様
ご堪能くださいませ。
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- 7 Comments

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2016/10/19 (Wed) 14:24 | EDIT | REPLY |   

miumiu:『姫』  

asuhanaサマ

総ちゃん、由梨が類のお嫁さんになったら機嫌悪くなっちゃうよ(笑)

2016/10/19 (Wed) 10:10 | EDIT | REPLY |   

miumiu:『姫』  

花さま

姫はしかとお伝えいたす(笑)

2016/10/19 (Wed) 10:05 | EDIT | REPLY |   

miumiu:『姫』  

まりもっこり様

空色様のお話、ホント素敵ですよね。
今回総つくで書いてくださって

パスワード解除してもらうことを私も願っています

2016/10/19 (Wed) 10:04 | EDIT | REPLY |   

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2016/10/19 (Wed) 07:17 | EDIT | REPLY |   

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2016/10/18 (Tue) 08:57 | EDIT | REPLY |   

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2016/10/17 (Mon) 23:57 | EDIT | REPLY |   

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